2016年10月23日日曜日

1周年ミニミニツアー



赤阪正敏とまゆによる2人組音楽ユニット「センテンス」
このたび、はからずも「1周年ミニミニツアー」をすることになりました。

2015年9月末に初ライブをしてから、1年と少しがたちました。
これまで40回近くのライブをしてまいりました。
たくさんの方にライブに足を運んでいただいたり、応援していただいたりしてきました。ありがとうございます。

これから1ヶ月の間に大阪と京都で5回のライブをすることになりました。
自分たちで組んだものではなく、お声かけで決まったこの5回のライブを「1周年ミニミニツアー」と題してお誘いさせていただきます。

初めてイベントにも誘っていただきました。
何度も悔しい思いをした場所でやるライブもあります。
初めて出演させていただく場所もあります。
この1年どうにかこうにか歩いてきた道に続く、少し大きな山に踏み込んでいくような、そんな期間になりそうです

とにかく、1年間本当にいろいろなことがありました。
振り返ると、大半は悔しい思いでした。
その中でも、私たちのことを見てくれる人の存在に心から救われたこともありました。
今なら引き返せる、と思った事も何度もありました。

先日長野県松本市で開催されたイベント「ヒトリ主義night」を終え、少し時間が空いたので今一度これまでのこと、今自分がいる場所、これからのこと、いろいろなことを考えました。

そして、今、一つの想いがあります。

「世界に手を伸ばして、心震えるような出会いをしたい」

私たちにできることは、自分たちの弱さも醜さも臆病さも喜びも希望もすべてを舞台で生ききることだと思っています。
大切な方々に見届けてもらえたらうれしいです。

1年間、自分たちを支えてくださった方々に感謝をこめて歌います。
これを言えるのに1年かかりました。

よろしければ遊びにきてください。

ご予約はsentence.info@gmail.comまで。
もちろんまさとしかまゆのどちらかに言っていただいてもOKです。

【ライブスケジュール】

*10/29(土) 「LMMINENT LIVE」vi-Code(大阪・中津)
 open17:30/start18:00
2000円+1drink

7月に「バスキアグレイ」というバンドと対バンし、意気投合したところから誘っていただきました。企画イベントに初めて誘っていただき、本当に嬉しいです。恥ずかしい事はできない!気合が入ります。

*10/31(月) HARD RAIN(大阪・梅田)
open18:30 / start 19:00  
1800円+1drink

 まさとしが以前参加していたパンクバンド「肩こり」時代にお世話になっていたHARD RAINに、センテンスとして初めて出演させていただきます。店長の加納さんの優しさが空間に溢れている、いいライブハウスです。

*11/2(水) ネガポジ(京都・西院)
 open18:30 / start 19:30

ノーチャージデーなので無料で見ていただいけます。ご飯もお酒も美味しい、居酒屋さんのような雰囲気を持つこの場所で、どれだけ自分として立てるか、気が引き締まります。

*11/16(水) nano(京都・二条)
 open18:00 / start 18:30  
1500円+1drink

nanoは出演者だけでなく、店長のモグラさんのステージでもあると思っています。それくらい熱い思いを持った人が作る場所が良くないわけがない。禁煙なのもそうですが、フラットな作りになっていて、とても過ごし易いライブハウスです。

*11/23 (水)「イイ夫婦の日」para-dice(大阪・扇町)
 open16:00 / start 16:30  
1500円+1drink

一番多く出演させていただいているpara-diceから誘っていただいた初のイベント。センテンスは出番1番目です。16時半までに来場いただければ 500円オフ。夫婦でお越しの方にはドリンク1杯ずつサービスになります!夫婦でやっててよかった。

2016年10月22日土曜日

classicusとねじ梅タッシと思い出ナンセンス の「逃げてなさ」と言葉の響きについて。

先日、京都の二条nanoで行われたハートたちというバンドによる「愛のワゴンツアー」を見た。
出演しているバンドはそれぞれによいバンドだったが、特にclassicusとねじ梅タッシと思い出ナンセンスという2バンドに触れながら、思うことを書きたい。

というか、このライブを見る前に思っていたことがいろいろあったのだけど、全部忘れてしまった。それくらいいい日だった。

初めて植えたホワイトセージ。世界に根を張れ。


andymoriの二代目ドラマーだった岡山健二さんがドラムボーカルを務める3ピースバンド。
以前もライブを見た事があったけど、この日はメンバー3人の音の輪郭がはっきりとしていて、消し合わずに鳴っているように聞こえた。そして、3人とも一切「流さない」演奏をしていたことが印象的だった。

僕は気を抜くとすぐに流して演奏してしまう。深く考えたり感じたりすることなしにできるパターン化された動きでギターと関わってしまう。

そういうことをしている時、その人の目は少し輝きを失うように思う。そして出る音からは記名性が消える。僕がそういう音を聞いている時、僕の身体は今ここから離れて、生きることそのものを流してしまう。とても退屈になる。

そういうことが先日のclassicusのライブにはなかった。

それは曲そのものにも言えて、classicusの曲は丁寧にアレンジされていると感じるけども、決して弄られすぎて熱を失っているような事がない。
あくまで「今、鳴ってる!」と感じる。

だから、ある意味で「失敗」がない。
もちろん、演奏上の失敗が起こる事はあるだろうけど、その曲と出会っているまさに今の聞き手にとってはそれがすべてで、そのすべてにメンバーが全力で向き合っている事がはっきりとわかるから、そこに不足がない。ありようがない。


nanoの店長のモグラさんから以前おすすめされていたバンド。

ライブを見ながら泣いてしまったのは久しぶり。

classicusとはまた違う意味でメンバーひとりひとりの音が独立して存在していた。classicusの3人の音がクリアで輪郭がはっきりとしているという良さがあるとしたら、ねじ梅の4人の音はむしろ混ざり合って溶け合っている良さだと思った。

ライブ中何回か、全員の音が消えたように感じた瞬間があった。4人の関係がええ感じすぎて、4人の音が「リズムがばっちり」とかそんなことじゃなくて、音が混ざり合って「音作り」とか「アレンジ」とかがどうでもよく感じる状態があった。だから音が消えたんだと思う。その時に涙が止まらなくなった。

ボーカルのタッシさんの目と声と歌詞と身体の動きがバシッと同じレイヤーにあって、圧倒的な強さだった。文句を言えようがない。そのことに希望を感じてまた泣いた。

逃げてないものは強い。

この全体的にいいバンドばっかりだったけど、僕が特にこの2バンドに惹かれた理由は、彼らが「逃げてない」と思うから。

何から?自分から。

今俺はこうしてブログを書いてる。この瞬間も、何回も何回も自分から逃げる機会はやってくる。
書きたいと思っている気持ちを言葉にする時に、格好良く思われそうな言葉の鋳型にむりやりその気持ちを押し込んで、さもそう思っていたかのように人も自分も騙そうとする。

言葉は明快やから、そう書けばそうだった事になってしまう。

言葉の鋳型と、無理やり押し込まれた気持ちとに隙間があればあるほど、その言葉は脆い。
中身が詰まっていないスイカを叩いた音みたいに、中身がスカスカの言葉の響きはすぐにわかる。

言葉は記号でもあるから、いくらでも嘘がつける。が、言葉の響きでばれてしまう。
言葉は簡単で難しい。

僕は今まで言葉の意味ばかりを追ってきたが、意味より大事なものは響きかもしれないと思い始めた。

音楽が好きで音楽をやってきたのに、言葉の音楽を聞き忘れていた事に驚く。


まだまだまだまだ、いい音楽はあるんやな。

いい出会いをくれたハートたちのみなさん、出演者のみなさん、nanoのみなさん、会場で出会ってお話ししたお客さん、ありがとうございました。


センテンス
まさとし