ギターのまさとしです。
1月12日、今年初のライブは大阪は扇町パラダイスでした。
とにかく昨年一番たくさん出演させていただいたライブハウスで、今年も最初のライブ。
改めてお世話になっているなぁという思いを持ちました。
以下、当日の感想と今思うことを書きます。
1番目、S.ilver。
最初の曲がフジファブリックの元ボーカル、志村正彦氏に関連する曲だった。
志村さんに憧れているということを話しているS.ilverさんが、赤い背景に青く照らされている様子が、「茜色の夕日」というとてもいい曲のPVの映像とオーバーラップした。
しかもこの日の照明はスタッフの志村さん。
僕の中で3人の志村が同じ空間にいるように感じて、涙が出そうになった。
S.ilverさんの演奏は、メロディーやリズムがものすごく自由だと感じた。
また、曲の途中で話しだしたり、細かく表情が変わったりするのも印象的だった。
どの曲か忘れてしまったけど、「明日も明日も」という歌詞があり、その読み方は「あすもあしたも」だった。
この部分が2回以上繰り返されていたので、歌い間違いではなく、意図的なものだと思う。
演奏後、僕たちセンテンスの音楽や僕が描いた線と点のイラスト、「ギターをせたろた鶏と大根と青い鳥」について、「波を感じる」と言ってくれた。
「ギターをせたろた鶏と大根と青い鳥」
独特の表現だったが、嬉しかった。
S.ilverさんの舞台は意図して作り上げられた部分以外のところ、「起こってしまうこと」がとても魅力的だったと思う。
失礼な言い方かもしれないけど、僕にとってはそこにS.ilverさんの魅力がより多く詰まっているように感じた。
「意図すると出来ない」「目指すと届かない」
そんなことを何故か確信していた小学生時代の自分を思い出した。
今の僕は確信とか自信とか信頼とか、とにかく「信じる」ということがとても難しいのだけど、子供の頃にこういうことについてはものすごく強固に信じていたのが不思議だ。
というものの、今の僕にも思い込みや強迫観念はたくさんある。
結局、「意図すると出来ない」「目指すと届かない」というような確信もそういうものだったように思う。
この確信のようなもので僕の生き方はかなり決まった気がする。
「目標に向かって努力する」という価値観をかなり早い段階で勝手に否定してしまったために、なんというか、「俺一人だけ裏面を生きている」感じで日々を過ごしていた。
友達がすぐ隣にいるけど、僕だけ実はルールがひっくり返った世界にいて、同じように過ごしていても僕だけ何故か「そうならないようになっている」ような気がして、基本的に頑張ることをしなかった。
でも、今になって「意図すると出来ない」「目指すと届かない」という思いはとても愛おしいと感じる。
間違っていなかったようにも思う。
この価値観を持った上で、厭世的にならずに幸せを感じて生きていくために俺はどうするのか、それだけを考えいてきたいと思っている。
2番目は鈴本彰さん。
MCで年男の24歳だと言っていた。
僕は年男の36歳なので、縁を感じた。
熱を帯びた、ややラップのようなリズムのある語りと鋭いストロークが印象的な弾き語り。
自分の経験を言葉にして歌にして歌っているということがまっすぐ伝わった。
また、「有名になりたい」ということをはっきりと言っていたのも印象的だった。
「有名になりたい」というのは、センテンスをやっている中で出会うミュージシャンからいろいろな形で感じるし、僕自身もある程度は持っている欲求だと思う。
そういえばS.ilverさんは有名になりたくないとMCで語っていた。
僕の場合は有名になることは副産物のようなものだといいなと思っている。
「有名さ」というような指標はなくて、とにかく自分が生まれてから今まで生きてきた道のりを踏まえて今、どうするのか。というような毎瞬間直面する選択を自分の感覚と責任でし続けられるかどうかだけが大事で、その余波みたいなものが社会に与えたインパクトによって有名になったりならなかったりするんじゃないかなと思っている。
格好良く書いた感じがするけども、僕はとにかくそういうことが出来ずに生きてきた。
自分の恐怖心にとらわれて、今何をするかの選択を恐怖心による自動反応に任せてきてしまった部分がたくさんある。
今年は、そこに向き合いたいと思っている。
3番目はセンテンス。
この日は僕たちの出番とほぼ同時刻に満月となる日だった。
5曲目のmoonligtはとてもお気に入りの曲だから、とても嬉しかった。
4番目は吉田恭兵さん。
今まで何度も対バンしてるけど、この日のライブが一番彼の姿がはっきり見えた気がする。
彼は以前にバンドをしていたことを知っているからかもしれないが、リズムキープがとても正確だなと思う。それは見るたびにいつも。
彼を初めて見たのが騒擾というバンドのボーカルをしている時だった。
彼は僕の目の前に来て僕に顔を近づけて10秒位歌った。
それが何だったのかは分からないけど、何かを伝えようとしていたのだと思っている。
その時から彼はどんどんと鎧を脱ぎ捨てているように思う。
だから、この日は彼の姿が一番よく見えたじゃないかな。
彼のことを僕はよく知らないけど、なんとなく「恐怖」というものを、彼の舞台を見ていると感じる。
彼から恐怖を感じるということではなく、彼が恐怖を感じているということでもなく、僕の中にある恐怖の概念が反応する感じ?
僕の中には恐怖がずっと住んでいて、人と関わる時に、世界と関わる時にいちいち姿を現す。
そのことについて、後ほどSTAGEのブログに書いてみたいと思う。
【今後の予定】
1/17(火)ネガポジ/ノーチャージ
1/24(火)ネガポジ/「店々」ノーチャージ
2/8(水)ハードレイン
3/8(水)tora
3/27(月)para-dice