あるいは、ミヒャエル・エンデは人間を「増殖する地球のガン細胞」だなんて喩えたけれど、ぼくは楽観も悲観もなく、その考え方は一理あるし、そういう見方もまちがいではないなって思う。

 けっきょく、人間に生まれたということが不思議で仕方ないし、なんだかんだ言いながらも「人」が好きだ。感情としては。

 ただ、愚直に、ただ安易に、何の思考や問いもなく人間という存在と和解したくはない。 
 そういう揺るぎない考え方が、自分の中の深い海の底にはある。